BenQ SW270C 1回目の記事はなぜBenQ SW271Cなのかを書きましたが、今回はカラーマネジメントモニタをまだ使っていない生業カメラマンと名乗る人たちに、伝えたいことがあってカラーマネジメントモニタを使わないリスクとメリットについて書こうと思います。
企業ではなく個人をお客様とするカメラマンが増えた
カメラ一台、標準レンズや単焦点1本。
「大三元と呼ばれるf2.8のズームレンズを揃えないと仕事ができない」は、過去になりカメラとレンズさえあれば、カメラマンとして生業になることがこの数年で一気に増えました。
あとはノートパソコンを持っていればいい方で、タブレットしかないなんてカメラマンも。
ライトルーム をタブレットで使いこなして現像や色調整を行い、DropBoxやLINEアルバムで納品をして完了。
Web記事への掲載がゴールであったり、企業を相手ではなく個人をお客様として生業にするカメラマンが急激に増えたからこそ、「仕事の形が変わってきている」というのが、ここ数年の大きな変動だと思います。
誰からも学ばずともWebで独学でカメラマンになれる。
それが故にリスクもあるので、昔であれば会社の先輩が教えてくれる、「カメラマン」と名乗るのであれば知って欲しいことを記載しておきます。
カメラマンと名乗るならリスクヘッジをして欲しい
カメラ一台だけで、カメラマンと名乗るのはあまりにもリスクが高い。
それは、カメラやメモリーカードは消耗品であり耐久回数や経年劣化があること。
撮影中にカメラがぶっ壊れた!メモリーカードが壊れて写真が見れなくなった。
そんな経験は、長年やってるカメラマンならある人も多い。
むしろカメラやカードの品質が上がったからこそ
「何もしてないけどエラーしたことない」
と断言するカメラマンも増えた。
そんな人ほどその後、メモリーカードの消失を喰らって大打撃を受け仕事を失う。
なんてケースも発生しております。
自分に起きるまではみんな他人事で信じてもらえないことですが、酷使するからこそ、メンテナンスは大事。
万が一に備えて常に2台体制で望み、メモリーカードは信頼できるメーカーで使用回数によっては1年に1回買い替えることが最低限必要です。
あと小ネタですが、納品してから数年後に「データ紛失したので再度送って欲しい」という話も多少あるので、納品したデータのバックアップや管理はしっかりしておいた方がいいのです。
カメラ・レンズ・ストロボの次は周辺環境。お客様と色の違いをできる限り最小に抑えるのです
実際、ノートPCとカラーマネジメントモニタがどのくらい違うのかの例がこちらの写真です。(上がカラーマネジメントモニタ・下が何もしてないノート)
ノートで見てた色がどれくらい違うのか極端な例にはなりますが、キャリブレーションモニタで見ると全然違いますよね...この写真なら色直したいレベルで自分が仕上げたかった色と違います。
10年前はカラーマネジメントモニタを買おうと思うと安くても20万弱しました。
つるたまもヒーヒーしながらフリーカメラマンになった時買ったものです。
現在はBenQが「カラーマネジメントモニタといえばEIZO」という業界に突破口を切り開き、約5万円から購入することができます。
もう、「買うのが難しい」というツールではなく、カメラマンであればカメラ・レンズ・ストロボの次に必要なマストツールです。
一生懸命色調整しても、キャリブレーションしてないモニタ同士では誤差がある
モニタは出荷時に同機種でも出荷時に許容範囲内の誤差があったり、メーカーの特徴として色が鮮やかに出るように設定されている場合もあります。
モニタによって写真の色が異なるので、例え一生懸命写真編集した写真も、表示する端末によって色が異なります。
そもそも編集時点で正しい色にキャリブレーションをかけていないモニタでは、正しい色として表示されていない写真を色調整している可能性もあるのです。
クライアントワーク:気付いてないだけで白すら正しく見えてないかもしれない
抱えている案件が大きくなった時、一人では撮りきれず何名かのカメラマンで撮るようになります。
お客様が個人であればカメラマンそれぞれの色の違いになりますが、企業案件をチームで撮る場合などの商業写真は、個人が基準ではなく企業の色をガイドラインとして統一する場合があります。
そうなると「僕は私はこの写真の色(作風)で撮ってます」は理由として通らなくなる。
理想のカメラマンと現実は違かったというズレがここに存在してると思います。
自分の作風で生きていくのであれば自分の色や作品性は大切ですが、複数カメラマンで撮るクライアントワークの場合、適性の色で撮る・企業やサイトとして統一した仕上げが重要です。
白背景なのにマゼンダ被ってたりすることに、実は気づいてないかもしれない。
切実にカラーマネジメントモニタを買って統一して欲しいのです。
カラーマネジメントモニタのメリット
(上のカラマネージメントモニタは出荷時の状態、下のMacもキャリブレーションかけてないので差が出ております)
カラーマネジメントモニタとキャリブレーションツールを導入すると、「もしかしたら色が違うかもしれない。」っという不安が払拭され、色や明るさに安心やこだわりが持てるようになります。
1.明るさ・色の基準値が明確になり、表示色も増え正しい色で写真編集ができる
一般的なモニタはsRGBを使用しております。
最近では広色域P3のモニタやデバイスも登場しているので、AdobeRGBやP3対応モニタでキャリブレーションを取ることで色のズレが少なく、今出ている色が正しい色、白や黒などの色だけでなくコントラストや明るさが正しく表示されているという明確な基準値が生まれます。
他のPCモニタやデバイスなどと発生する色の差を抑えることが、写真を撮る、仕上げるというカメラマンの日常ワーク。
頑張って色調整や写真編集したのに納品先で実は色が違かったっていやじゃないですか...?
色にこだわって写真編集してる人はもちろん、クライアントワークの人も撮るだけでなく最後の仕上げるまで完璧にして欲しいのです。
2.大きなモニタで写真編集だけでなく作業が捗る
大きな画面が1枚増えると執筆や計算・Webでの探し物など、画面内にいくつかウィンドウを表示させる「〇〇しながら作業」も捗るようになります。
BenQのモニタは高さが出せて姿勢や首も楽になるので、猫背や首が痛いと悩んでる人にもおすすめだったりします。
ノートだけで作業しているライター兼カメラマンであれば、試しに自宅作業用に1枚増やしてもらえるとびっくりするくらい作業効率上がると思います。
3.大画面で自分の写真を観てレベルアップ
プリント時代からあることですが、例えばサービス版Lサイズでは見えなかった部分もA4サイズなどであれば見える(気づく)ようになります。
人の粗探しをするのは野暮であり余計なお世話ですが、自分の写真を大画面で見るほど粗を見つけてレベルアップし続けるきっかけにもなります。
また、愛着ある推しを壁紙にするとモチベーションもアップするしおすすめです。
4.プリントとの色の差によるストレス軽減
納品の最終ゴールが印刷物や結婚式やイベント行事の写真であれば効果は大きく感じるのがプリントとの色の差。
モニタ規格のRGBと印刷規格のCMYKの違いでもありますが、キャリブレーションを駆使することで、色の差を少なく仕上げることにより写真の見栄えが格段に引き締まります。
またWebなどデバイスでみる際はP3環境でどう見えるのかキャリブレーションモニタで確認できると、iPhone(P3)でその都度確認の手間も省けます。
色や明るさ、写真編集を正確に。快適に行えるカラーマネジメントモニタ
SW270C | Adobe RGB 99% 写真・動画編集向けカラーマネジメントモニター
最後に、これからカラーマネジメントモニタを探す人に選び方について。
・ハードウェアキャリブレーション対応
・AdobeRGB対応
最低限はこの2つ、あると嬉しい機能は
・USB Type-C (給電可能)
・P3対応
・PANTONE認証
この3つは個人個人の環境にもよりますが、長く使うならUSB-Cで給電できるというのはかなり重宝できる点で、紙媒体よりWebやスマホ端末でみることが最終ゴールであるならばつるたま個人的にはiPhoneなど広色域P3でみることが、できる限り色の差を減らせる嬉しい点かと思います。
モニタのサイズは使用環境によっても異なりますが、24と27悩んだら後々2枚のデュアルディスプレイにしたいということでなければ、27を選んだ方が作業できるスペースが広くなる分効率アップにもつながるので27がおすすめです。
今コスパいいモニタって何?
低価格という意味ではBenQ SW240や2700PTが上がりますが、USB-Cで給電できることやPANTONE認証もあり印刷物の信頼度が上がるので、正確な色再現を可能にするAQCOLOR技術採用のSW270Cをおすすめします。
詳しくはSW270Cの記事をご覧ください。
この記事はBenQさんのご協力にて執筆させていただきました。
それでは、また。