キヤノン蛍石レンズの読み方
「ホタルイシ」と呼んでるつるたまです。
キヤノンに使われる蛍石レンズ
Lレンズの中でも高価なレンズに使われることが多く
なんとなーく蛍石使ってると「いいレンズ!」と呼ばれることが多い様に感じております。
さて、「ホタルイシ」「ケイセキ」と呼ぶ人じつは2パターンおり
どっちが正しいの?そもそも蛍石レンズってなに?を書いていこうかと思います。
ケイセキとホタルイシ読み方はどっち
wikipediaで 蛍石 で検索すると「ほたるいし」
蛍石レンズで検索すると「けいせきレンズ」
どちらも出てくる。
三省堂WebDictionaryでは「ほたるいし」である。
蛍石レンズ - Wikipedia を参考にすると
「珪石レンズ」と間違えられるのを防ぐため「ほたるいしレンズ」と読むこともある
とのことで、
「蛍石」単体では「ほたるいし」
「蛍石レンズ」では「けいせきレンズ」だが「ほたるいしレンズ」でも間違いではない。
なので、どっちが正しいってことはない様だ。
あやふやなので、キヤノンお客様相談センター( 050-555-90002 )
デジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ/交換レンズ に確認してみた
蛍石レンズと書いて「ほたるいしレンズ」と読みますとの回答を得た。
「どうしても蛍石をレンズに使いたい」技術者の想い
蛍石の効果とは色収差の極小
化学記号CaF2 フローライトとも呼ばれる蛍石は、
色収差が極小という理想的な特性をもち、光学ガラスでは得られなかった鮮やかで繊細な描写力の実現ができるが、蛍石は極めて高価。
そもそも色収差と2次スペクトルって
ガラスの屈折率は光の波長によって異なるために、光線が1点に集まらないという問題があります。
光の焦点のズレは、色のにじみとなって現れ、撮像画像のシャープネスを乱す。
これが「色収差」で、色収差の補正するために分散の小さい凸レンズと、
分散の大きい凹レンズを組み合わせて
光線の進行方向を一つにそろえ、焦点を一致させます。
色収差を補正するために組み合わされたレンズでも焦点付近をよく調べると、
赤と青の波長の中間にくる色、緑の焦点は依然としてズレを生じる。
このわずかな残存色収差を、二次色収差または二次スペクトルと呼ぶ。
二次スペクトルの徹底除去に大きな効果を発揮するのが「蛍石」
蛍石が持つ異常部分分散の特徴を生かし蛍石の凸レンズを作れば
二次スペクトルはきわめて小さくなり、赤・緑・青の焦点がほぼすべて合致する。
蛍石そのものをレンズ光の焦点が一点に集まり、Lレンズだけにしかないシャープな描写性能が実現した。
蛍石レンズは二次スペクトルの影響を大きく受ける望遠レンズに採用される
蛍石は非常に高価で通常の研磨より4倍時間がかかり研磨後の洗浄も手拭き。
私感だが、その様なレンズを全てのレンズに入れたら、
より人出がかかり、生産数も落ち入手困難になった結果
レンズの値段がより高騰化するのは予想できる。
キヤノンは、より理想的な画質を多くのユーザーに届けるために
1970年代後半には蛍石と同様の光学性能を持った
屈折率・分散特性ともに蛍石に近い特性の硝材
UD(Ultra Low Dispersion)レンズを開発。
1993年には、従来のUDレンズの性能を大幅に向上させ、
UDレンズ2枚分、蛍石の特性とほぼ同等の効果を備えたスーパーUDレンズの開発
EF24-70mm F2.8LⅡ USMなどのLレンズには
蛍石と同様の効果が得られるスーパーUDレンズが採用され定評を得ている。
現在、蛍石レンズは2次スペクトルの影響を大きく受ける望遠レンズに採用されている。
キヤノンの貴重な文献や話がじつはネットにあるのです。
今回記述したお話は、より正確な話をご紹介するために
キヤノン公式を参考にして引用及び記述しております。
http://cweb.canon.jp/ef/l-lens-j/
Lシリーズのサイトのテクノロジーには
カタログに載せきれなかった、性能や開発者の想いがより詳しく載っていたり
には、歴代の発売時期、概要やスペック、カタログなどがあり
オールドカメラやレンズを調べるときにもかなり役立ちます。
写真を撮るのにカメラの知識は必要ないけど
カメラをより使いこなしたり愛着が持てる様になるので、
改めてカメラのことを学んでみたいときにみてみると意外と面白いかも!
っとおもい例として蛍石のお話をご紹介させていただきました。
あと全然関係ないけど、GettyImagesのブログ埋め込み便利だなと
より詳細な内容は下記の参考文献などにありますので
気になったらご覧になってみてください。
それではまた!
記事中の参考文献
キヤノン:テクノロジー | 新たな価値を生み出し続ける光学技術